FILASTINE / £00T
2012.04.18 RELEASE
ROMZ RECORD / RMZ-035 / ¥2,300(Tax incl.)
最先端のベース・ミュージックと辺境のルーツ・ミュージックが交差する浮遊都市…
世界を廻るショッピングカート・サウンドシステムが放つ、レベルミュージック・ノマド
“フィラスタイン”待望の3rdアルバム『L00T(ルート)』4月18日にロムズからリリース!!
※前作“DIRTY BOMB”に引き続きECD参加!CDリリースは国内盤のみ!
大石始(“GLOCAL BEATS”著者)による解説、さらにリード曲“Colony Collapse”の
e-mura(RUB-A-DUB MARKET/Part2Style)によるリミックスも収録!
[Tracklisting]
1 No Step
2 Colony Collapse (with Nova)
3 Shanty Tones
4 Lost Records (with ECD)
5 May I Interrupt?
6 Skirmish
7 Gendjer2 (with Nova)
8 Circulate False Notes
9 Spectralization
10 Juniper (remix of Y La Bamba)
11 Hypnotico
12 Informal Sector Parade
13 Sidi Bouzid
14 Colony Collapse e-mura from Part2Style Remix(※)
※bonus track for Japan only
グローバリゼーションは臆面もなく世界を席巻し、21世紀の国家資本主義は世界規模の搾取システムを構築した。世界的な経済不安に人々は怯え、戸惑い、もはや自由からの逃走さえも辞さない構えを見せる…。WTO(世界貿易機関)閣僚会議やG8(主要国首脳会議)などにも(<地獄のノイズ旅団>なるアナルコ・マーチング・バンドやショッピング・カートを改造したサウンド・システム/楽器で)積極的に反対活動を続けてきたアクティヴィストでもあるロウ・エンド・ミュージシャン“フィラスタイン”による3年ぶり3枚目のアルバム『LOOT』が遂に完成。
ラップトップで構成された最先端のベースミュージック(デジタル)と、世界中に散らばる民族楽器の生演奏(フィジカル)を見事に融合させる奇才フィラスタインによる新作は、インドネシア、アフリカ北部、ブラジルをはじめ世界の路地(ストリート)で集められたこの3年間の旅の記憶で、これまでの作品を更に深化させた刺激的な傑作。ザラっとした質感と幻想的で恍惚とさせる音像が織りなす、グローカル・ビーツの真打ち、ここに登場です。
米国ロサンゼルス生まれのフィラスタインではあるが、前時代的オリエンタリズムといったようなスタンスは決して取らない。19歳の時に手にしたコンガと、近所のガス・ステーションから盗んできたドラム缶という“楽器”を皮切りに、ザキール・フセイン(インドの国宝級タブラ奏者/タブラ・ビート・サイエンス)に師事し、タブラ演奏を習得したり、ブラジルではリオ・デ・ジャネイロのサンバ・チームに参加し、またモロッコに長期滞在して伝統楽器の演奏に腕を磨いたりと、一人のパーカッショニストとして(現在でも)常にその生身は最前線の現場に置いている。
そういった経験から研鑽された一流のパーカッショニストでもあるフィラスタインの奏でるビートは、ダブステップやクンビア、ヒップホップ、デジタル・ダンスホールなどのダンス・ミュージックを独特なリズム感とチョップ感、また自分で改造したソフトウェアなどを駆使して、まさにオリジナルなものへと昇華させている。
インドのタブラ、近東~中東のダラブッカ、ブラジルのパンデイロ、モロッコのカルカベからショッピング・カートetc…の打楽器はもちろん、インストゥルメンタル面でもガムランやチェロ、ギター、トランペットから、バルセロナのイスラーム教区でのフィールド・レコーディングなど、世界中のありとあらゆる音を素材に、楽曲の奥行きを拡げ、色彩を与えていく。電子と有機、タイムツイストとリアルタイムの間に美しい緊張を保ちながら。
そして本作にはインドネシアを代表するフィメールMCノヴァや、前作“Dirty Bomb”にもフィーチャーされた日本のリヴィング・レジェンドECDが参加しており、“Colony Collapse”(植民地崩壊)と名付けられた、ガムランの響きが幻想的なダブステップトラックや、昨年ネット上で発表され話題となったECDによる“反原発REMIX”のラインを使用した“Lost Records”(先日発売されたアルバム”ECD / DON’T WORRY BE DADDY”収録の”Recording Report”別バージョン)、インドネシア共産党への弾圧により40年間禁止され、今なお半タブー化している魂の歌の歌詞を使った“Gendjer2”などをはじめ、全編を通し強烈なメッセージを発している。
将来、国家における「政府」というものは用をなさない物になるだろう。その時、主役を担うのは果たして「貨幣」という幻想なのか、それとも私たち「人間」ひとりひとりなのか。アーティスト本人とMo Scwiranskyにより6ヶ月にも及ぶ綿密な制作期間を費やし作り上げられた、架空の紙幣がデザインされた本作『LOOT』のジャケットを含め、フィラスタインは全ての現代社会に向けて重大な問いを投げかけているのではないでしょうか。
http://filastine.com/
http://filastine.com/